概要

沿革

2007 年5 月22 日、京都大学と日本ベンチャーキャピタル株式会社(略称NVCC)は、ベンチャーファンド「京大ベンチャーNVCC1号ファンド」の設立を発表しました。京都大学産官学連携本部ではベンチャー支援活動の一環として起業家人材育成とベンチャー支援ノウハウの開発を行ないます。そのための組織として、2007 年8 月1 日に産官学連携センター(当時)にNVCC による寄附研究部門「イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門」が設置されました。2007 年8 月31 日にファンドが組成され、ファンド総額は45 億円に達しました。

本寄附研究部門は、京都大学における起業家教育を担っており、本寄附研究部門の起業家教育プログラムは発足後5年間で登録学生数、提供科目数も大幅に増加してきました。2012年8月1日からは社会人教育プログラム・産学連携で技術シーズのインキュベーションを行う第二フェーズの活動も開始しています。

概要

本寄附研究部門では、学生のキャリアの選択肢の幅を広げ、ひいては日本の将来を担う有望な起業家をより多く輩出するため、先進的かつ体系的な起業家教育を提供しています。

京都大学における起業家教育は、経済・経営を学ぶ文系学部の学生だけではなく、将来の技術イノベーションに貢献する理学・工学・農学・医学といった理系学部の学生も幅広く含め、文理融合の教育を志向、実践している点を大きな特色としています。

また、学生が自らの習熟度とキャリア上の関心に応じた科目選択を行えるよう、体系的な科目の提供を行っています。

本寄附研究部門の教育プログラムの設計にあたって留意している点は、以下の3点です。

・学生が卒業後のキャリア選択の幅を広げるに際し、具体的かつ学生に参考となる多様なキャリアの魅力を伝達すること。

・各分野で一流の実績がある実務経験豊富な講師陣を招聘することにより、実践的なスキル教育を行うこと。

・文系、理系、外国人学生等、多様な学生が相互に刺激を与え合う機会を提供し、専攻分野や文化の境界を越えて発想できる人材を育成すること。

本寄附研究部門の研究活動としては、オープンイノベーションに関連する研究を中心にしています。

中央研究所の設置等による研究開発機能の垂直統合の時代が終わり、企業は社内における基礎的な研究機能を縮小し、研究開発機能を担うパートナーを社外に見出そうとしてきています。

このような背景認識に基づくと、大学に豊富に存在する多様な技術シーズを、どのように生活者のニーズに結びつけ、投資家が真剣に投資対象とするに足る事業機会を発見するかの方法論が重要になります。本寄附研究部門では、海外における先進的なベストプラクティスの研究し、独自の産学連携の践的なプログラムの開発等により、オープンイノベーションの具体的な姿を模索しています。